アル――来てくれたんだ!
――あははは…
――あははは…
アル――何が入ってるんだろう?
――ん?あっちが38番街だから…
――うわぁー!
――ちぇ…
アル――黄緑の大きなコンテナを積んだトレーラーなんだよ!
――ブループラム通りからベラクルス地区の方へ向かっていったんだ!
――工場なんかで使うデカイ奴でさ!全部で4台ドコに行ったのか探してほしいんだ!
――警察だったらコンピュータで簡単に調べられるんでしょ?
――ねえ!聞いてる?
警官A――あー…聞いてる、聞いてる。
アル――ナンバーだって覚えてるんだ!
――S63D-0018…ねぇ!ちゃんと聞いてよー!
警官A――坊主、探偵ゴッコも程々にしな。こっちは忙しいんだ。
アル――ちょ、ちょっと待って!轢逃げ事件なんだよ!
警官A――えっ?
アル――ココぶつけられたんだ!こっちも見てよ!
警官A――んー…
警官B――こちら16号車、これよりベラクルス地区42番地に向かい交通事故の容疑者の取調べを行う。
警官C――了解。
警官B――その運転手の顔は覚えてるかね?
アル――はい!よく覚えています!
警官B――S63D-0018、ナンバーは合ってるな…
――坊や、この車に間違いないか?
アル――はい!間違いありません!
ミーシャ――もうチョイ左だ。よーし、オーライ!オーライ!
シュタイナー・ガルシア――ん?
シュタイナー――何の用でしょう?
警官B――警察の者だ、聞きたい事がある。
シュタイナー――分かりました。シャッターの方を開けますからチョッと待ってくださいよ。
バーニィ――いっ、
警官B――此処の責任者は誰だ?
シュタイナー――私が此処の社長ですが…どういうご用件でしょう?
警官B――あの表にあるトレーラー、アレはお宅の車かね?どうなんだ?
シュタイナー――ウチで借りてるモンですが…
警官B――2、3尋問させてもらおうか?
――坊や、こっち来な、
――君をはねた人がこの中にいるかね?
シュタイナー――待ってください!はねたなんて何かの間違い…
警官B――アンタには聞いとらん!どうだ覚えてるか?
アル――うーんとねー…あのおじさん!
――あの人が僕をはねた!
ガルシア――あのクソガキ…
警官B――今朝6時、何処にいた?
ガルシア――港から車で此処へ向かってましたがね…
警官B――ルートは?何処を通った?
ガルシア――…ブループラム通りから38番街を抜けました。
警官B――なるほど…あの子の証言と一致するな。
ガルシア――冗談じゃない!あのガキ嘘付いてるに決まってる!
警官B――アンタら、何か怪しいね…隠し事をしているみたいだ。
――コンテナの中が見てみたくなったな。調べさせてもらおう。
――社長さんよ。開閉スイッチはどれだい?こっちに来て開けてくれないか?
ミーシャ――あー、私がやります。
――あ、開けるのにカードが必要なんです。
警官B――早くしろ!
ミーシャ――えーと…。カード、カード…
アル――うわあーあん!
シュタイナー――ん!?
アル――うわあああーん!
――うわあああーん!お兄ちゃん!
――うわあああーん!
警官B――坊や…一体どうしたんだ?
アル――お兄ちゃん!僕の事忘れちゃったの?
バーニィ――…アル?
――お前、アルか?大きくなったなー
アル――お巡りさん、ゴメンなさい!轢逃げなんて嘘なんです。父さんと母さんが離婚してお兄ちゃんに会えなくなって…
――ヒックヒック…街でトレーラーに乗ったお兄ちゃんを4年振りに見つけて…それで探して欲しくて嘘ついたんです。
――この傷も転んでつけたんで車なんか関係ないんだ!ゴメンなさい!
警官B――…本当か?
バーニィ――ええ…
――アル、駄目じゃないか!お巡りさんに嘘なんか付いて!
アル――ゴメンなさい…お兄ちゃん。
バーニィ――…ったくなんて奴だ!
――警官連れて来るなんて、お前正気か?
アル――場所が分かんなかったんだ!
バーニィ――分かってどうするつもりだった?
アル――…仲間に入れてもらう。
バーニィ――仲間?戦争ゴッコやってるんじゃないんだぞ?
アル――ゴッコじゃない!
ガルシア――大尉、あのガキどうします?
シュタイナー――…アルフレッド君だったね?
アル――オジさん隊長でしょ?
――僕も仲間に入れてよ!ジオン軍の兵士に僕兵隊になりたいんだ!
シュタイナー――仲間に入れてもいいが条件がある。
アル――…条件?
シュタイナー――うん。…まず私たちのことを誰にも喋らない事。
アル――約束するよ!誰にも喋らない!
シュタイナー――もう一つ。君が撮影したビデオについて聞きたいんだ。
アル――此処が8番ゲート。あのコンテナは此処にあったんだ。多分、12ブロックの方に運んだんだよ。
シュタイナー――ほう…何故そう思うんだね?
アル――8番ゲートから運ぶ荷物は大抵Cのリフトを使って12ブロックに行くから。
シュタイナー――アル、君は実に賢い少年だな。
アル――ねぇ?あの中には何が入ってるの?
シュタイナー――それを調べるのが私たちの任務なんだよ。
アル――僕も手伝います!
シュタイナー――今日のところはこれで十分だよ。協力ありがとう。
――これを君にあげよう。
アル――わあー!
シュタイナー――我々の部隊マークだ。無くさないようにな。
――人に聞かれたら拾ったと答えるんだ。
アル――分かりました、隊長殿!
シュタイナー――バーニィが君の家まで送ってくれるそうだ。
バーニィ――車がそんなに珍しいか?
アル――パイロットの運転だもん。
バーニィ――フン、お世辞言いやがって…
シュタイナー――あの子はしばらく、バーニィに見張ってもらおう。
ガルシア――バラしちまえば良かったんですよ!それとも此処に閉じ込めちまうとか…
――あのガキ、いつ口を滑らすか分かったもんじゃない。
シュタイナー――誘拐騒ぎを起こす気か?
ミーシャ――まあ、バーニィ向きの仕事が一つ出来たって事さ。
シュタイナー――そういう事だ。
バーニィ――宇宙空間でやられた日にゃ最悪だぜ?何しろ無重力だ。コックピットの中に血が滴になって浮かんでさ。もう地獄も真っ青!
アル――へー…
バーニィ――俺なんか数えきれないほど戦友が命を落としたのを見てるんだ。
――本当はお前みたいな子供、相手にしてられないんだぞ?
アル――バーニィも人殺したことあるの?
バーニィ――え?
――…殺したかないけどな。やられる前にやらなきゃ、こっちがヤラれる。ターゲットは落とすしかないんだ。
アル――厳しい世界なんだ。
バーニィ――当然。
――俺もあと1機落とせばエースってトコでヤラれちゃってよ
。
アル――相手が凄腕だったの?
バーニィ――油断しちまったんだ。中立コロニーだって聞いてたのに突然ジムが出てくんだもんな。ありゃねーよ。
アル――ふーん。あっ、そこ右に曲がって!
ミチコ――アル!いくら休みだからって出かける時はキチンと言っていきなさい!
アル――はーい!
ミチコ――学校から手紙が来てたわ成績の事で相談したいそうよ。この前のテストの結果悪かったようね。何で隠してたの?アル、遊ぶのは勉強でチャンと結果を出してからにすること分かった?
アル――はーい!
アル――イッヒヒヒヒ…
ミチコ――アルー!
アル――はーい!
ミチコ――母さん婦人会の会合に行ってくるから宿題ちゃんとやるのよ!
アル――はーい!
アル――XマイナスYイコール…
バーニィ――うぁ…
クリス――パパ、ママ!早く警察に電話して!
――泥棒よ!泥棒捕まえたわ!
アル――…バーニィ!?
クリス――アル、こいつ貴方の家に忍び込もうとしてたのよ!
アル――その人僕の兄さんなんだ。
クリス――兄さん…?
――…お兄さん!?
――ママ!電話は無し!良かった、まだ生きてる!
――はぁー…
クリスの母――…申し訳ありませんね。とんだ粗相をしまして、コーヒーでよろしいですか?
バーニィ――はぁ。
クリスの母――アルにお兄さんがいたなんてね。私も全然知らなかったわ。
バーニィ――…母親が違ってまして、親父が若い頃僕が生まれたんですが、周りが反対して別れたらしいんです。
クリスの母――ミチコは貴方のこと知ってるの?
アル――秘密なんだよ。だからコッソリ会いに来たんだ。
クリスの父――それにしても泥棒と間違えるとはな…
――ま、許してやってくれ。早合点しただけなんだから。
バーニィ――は、はぁ…
クリス――ホントにゴメンなさい。私てっきり…
バーニィ――気にしてませんから。
クリスの父――全く気の強い娘でね。連邦軍なんぞに入っちまうんだから…
アル――クリス軍人だったの?
クリス――データを集める仕事なの。銃を取って戦う訳じゃないわ。
アル――バーニィは本物の軍人なんだぜ?
バーニィ――うっ…
クリスの父――ほう。
バーニィ――い、いえ…もう除隊しました。今は予備役ですから。
クリスの母――それでこのコロニーに戻ってらしたのね。
――じゃあ、お勤めもこちらで?
バーニィ――工場で機械関係の仕事をしてます。どうもお邪魔しました。
クリスの母――ゆっくりしてらしたら良いのに。
バーニィ――約束があるものですから…
クリス――頭、大丈夫ですか?
バーニィ――平気ですよ、このぐらい。これどうも。
――アル行くぞ!
アル――うん。
アル――クリス、おやすみ!
クリス――おやすみなさい。
バーニィ――見掛けじゃあ性格は分からないもんだな?
アル――悪くないと思うけどなぁ?
バーニィ――いよっと、痛て…
アル――痛い?
バーニィ――何ちゃって?
――発進!
アル――うわっ!?
バーニィ――デーン!
アル――あははは…
アル――行ってきまーす!
チェイ・テルコット――アルー!
チェイ――お前ん家に行くトコだったんだぜ!
テルコット――公園行って戦争しよ!
アル――また今度なー!今日は忙しいんだ!
アル――あー…
シュタイナー――スクリーンを取り付けろ!
ガルシア――どっちから行きますか?
シュタイナー――メインからだ。
ガルシア――了解。
アル――あの中身、モビルスーツだったのか…
シュタイナー――バーニィ、早いとこ締め付けろ!
バーニィ――了解。
アル――これで連邦軍と戦うんだね?
シュタイナー――いや、コイツはコロニーを脱出する時に使うんだ。
アル――えー!戦わずに逃げるだけー?
シュタイナー――連邦軍が追撃すれば別だがね。
アル――だったらパイロットはバーニィが良いよ!
バーニィ――ん?
アル――あと1機、落とせばエースなんだ!
シュタイナー――残念ながらパイロットはミーシャに決まってるんだ。
アル――どうしてバーニィじゃいけないの?
ガルシア――へへへへ…
シュタイナー――ミーシャの方がベテランだからな。
ミーシャ――バーニィ、悪かったな。あと1機でエースなのによー。
ガルシア――まだ4機だったのかい?俺はよ、バーニィのこったから20機は落としてるもんだと思ってたぜ?
ミーシャ――ハハハハ…
バーニィ―― んー…
連邦兵A――クリス、ここいらで一旦切りあげよう。午後から新しいプログラムでもう1度チャレンジだ。
クリス――了解。
連邦兵B――反応速度のデータは?
連邦兵C――平均値30%増加です。
連邦兵B――80%には程遠いな…
連邦兵D――アレックスの乗り心地はどうだい?
――全周スクリーンとマグネットコーティングの感想は?
クリス――速すぎて怖いくらいよ。
――こんな敏感な機体実戦で使えるの?
連邦兵D――パイロットの腕次第ってところかな?
クリス――私じゃアレックスは使いこなせない、って意味?
連邦兵D――尖がんなよ…
――コイツはニュータイプ専用機だ。アンタの腕は認めるがちとばかり荷が勝ちすぎる。
――コイツを扱えるのは一種の化け物さ。ホワイトベースのパイロットに回すらしいがね。
バーニィ――アル、もう帰ろうぜ!連邦の秘密基地なんて見つかりっこないって。
アル――折角、隊長がくれた任務なんだよ?
バーニィ――…まあな。
アル――バーニィ、どうして連邦は基地のこと隠してんの?
バーニィ――サイド6と連邦との安全保障条約がまだ正式には締結されてないからさ。
――つまり、今はまだ連邦の活動に色々制約があるって事。
アル――ふーん。連邦ナンバーの車って意外と少ないね。
――僕達が連邦の基地を見つけたら隊長考え直すかな?
バーニィ――何を考え直すんだ?
アル――パイロットの事。
バーニィ――うっ…
アル――ミーシャじゃなくて、バーニィになるかもしれない!
バーニィ――パイロットの事なんか気にしてないよ。エースになるチャンスはこれからもあるしな。
――さっ、アル。帰ろう。メシでも喰おうぜ?
アル――うーん、もうちょっと…
――あー!?
バーニィ――どうした!?アル!おい?
アル――見つけた…
――見つけたよ、バーニィ!
バーニィ――同じ人間がいるからって、そこが連邦の基地とは限らないぜ?
アル――近付いて確かめれば良いじゃない。
バーニィ――どうやって近付く?
アル――地下から。
バーニィ――…地下?
アル――コロニー公社の整備用トンネルを使うんだ。
アル――やったー!
バーニィ――此処が2の27って事は…
――此処から200メートルくらいか?
――意外と簡単に行けるかもな…
アル――バーニィ、早くー!
バーニィ――慌てんなよ。
アル――ここいらじゃない?
バーニィ――もうチョイってとトコだろ?
アル――あー!閉まってる。
――…開きそう?
バーニィ――妙だな…スイッチが見当たらない。もう一つ西の通路当たってみるか?
アル――うん。
バーニィ――ちぇ。
バーニィ――分かったぞ!
アル――何が?
バーニィ――新品のシャッターがこのブロックにだけ取り付けてある。人が入って欲しくない理由が最近できたんだ!
アル――あのコンテナ、此処に運んだんだ!
バーニィ――ピンポーン。
バーニィ――フテるなよ。
アル――だってぇ、連邦の基地が目の前にあるのに…
バーニィ――場所を突き止めただけでも大したもんだよ。まあ偶然とはいえコイツは大成功だぜ。
――きっと隊長も喜ぶぞ?
――ん?アル何やってんだ?
アル――へへーん。
バーニィ――やめとこう。アル、危険過ぎる。
アル――やだ。
バーニィ――死ぬかもしれないんだぞ!
アル――平気だい!
バーニィ――平気だったか?
アル――…全然。バーニィこそ怖いんじゃないの?
――モビルスーツが無いと臆病になるんだね?
バーニィ――んー…
バーニィ――目標はあの出っ張りだ。俺が辿り着いたらワイヤーを伝って飛んで来い。
――分かったか?
アル――うん。
アル――大丈夫、誰もいないよ。
バーニィ――宇宙服を脱いで渡すんだ。
アル――機械の動く音だ!
バーニィ――ん?アル!やめろ!
――アル、やめろ!捕まるぞ!
連邦兵E――割に合わねー仕事だよな?残業手当くらい出して欲しいや。
連邦兵F――ボヤくんじゃないの。
アル――連邦の兵隊だ!
アル――あー…
アル――ナンバーだって覚えてるんだ!
――S63D-0018…ねぇ!ちゃんと聞いてよー!
警官A――坊主、探偵ゴッコも程々にしな。こっちは忙しいんだ。
アル――ちょ、ちょっと待って!轢逃げ事件なんだよ!
警官A――えっ?
アル――ココぶつけられたんだ!こっちも見てよ!
警官A――んー…
警官B――こちら16号車、これよりベラクルス地区42番地に向かい交通事故の容疑者の取調べを行う。
警官C――了解。
警官B――その運転手の顔は覚えてるかね?
アル――はい!よく覚えています!
警官B――S63D-0018、ナンバーは合ってるな…
――坊や、この車に間違いないか?
アル――はい!間違いありません!
ミーシャ――もうチョイ左だ。よーし、オーライ!オーライ!
シュタイナー・ガルシア――ん?
シュタイナー――何の用でしょう?
警官B――警察の者だ、聞きたい事がある。
シュタイナー――分かりました。シャッターの方を開けますからチョッと待ってくださいよ。
バーニィ――いっ、
警官B――此処の責任者は誰だ?
シュタイナー――私が此処の社長ですが…どういうご用件でしょう?
警官B――あの表にあるトレーラー、アレはお宅の車かね?どうなんだ?
シュタイナー――ウチで借りてるモンですが…
警官B――2、3尋問させてもらおうか?
――坊や、こっち来な、
――君をはねた人がこの中にいるかね?
シュタイナー――待ってください!はねたなんて何かの間違い…
警官B――アンタには聞いとらん!どうだ覚えてるか?
アル――うーんとねー…あのおじさん!
――あの人が僕をはねた!
ガルシア――あのクソガキ…
警官B――今朝6時、何処にいた?
ガルシア――港から車で此処へ向かってましたがね…
警官B――ルートは?何処を通った?
ガルシア――…ブループラム通りから38番街を抜けました。
警官B――なるほど…あの子の証言と一致するな。
ガルシア――冗談じゃない!あのガキ嘘付いてるに決まってる!
警官B――アンタら、何か怪しいね…隠し事をしているみたいだ。
――コンテナの中が見てみたくなったな。調べさせてもらおう。
――社長さんよ。開閉スイッチはどれだい?こっちに来て開けてくれないか?
ミーシャ――あー、私がやります。
――あ、開けるのにカードが必要なんです。
警官B――早くしろ!
ミーシャ――えーと…。カード、カード…
アル――うわあーあん!
シュタイナー――ん!?
アル――うわあああーん!
――うわあああーん!お兄ちゃん!
――うわあああーん!
警官B――坊や…一体どうしたんだ?
アル――お兄ちゃん!僕の事忘れちゃったの?
バーニィ――…アル?
――お前、アルか?大きくなったなー
アル――お巡りさん、ゴメンなさい!轢逃げなんて嘘なんです。父さんと母さんが離婚してお兄ちゃんに会えなくなって…
――ヒックヒック…街でトレーラーに乗ったお兄ちゃんを4年振りに見つけて…それで探して欲しくて嘘ついたんです。
――この傷も転んでつけたんで車なんか関係ないんだ!ゴメンなさい!
警官B――…本当か?
バーニィ――ええ…
――アル、駄目じゃないか!お巡りさんに嘘なんか付いて!
アル――ゴメンなさい…お兄ちゃん。
バーニィ――…ったくなんて奴だ!
――警官連れて来るなんて、お前正気か?
アル――場所が分かんなかったんだ!
バーニィ――分かってどうするつもりだった?
アル――…仲間に入れてもらう。
バーニィ――仲間?戦争ゴッコやってるんじゃないんだぞ?
アル――ゴッコじゃない!
ガルシア――大尉、あのガキどうします?
シュタイナー――…アルフレッド君だったね?
アル――オジさん隊長でしょ?
――僕も仲間に入れてよ!ジオン軍の兵士に僕兵隊になりたいんだ!
シュタイナー――仲間に入れてもいいが条件がある。
アル――…条件?
シュタイナー――うん。…まず私たちのことを誰にも喋らない事。
アル――約束するよ!誰にも喋らない!
シュタイナー――もう一つ。君が撮影したビデオについて聞きたいんだ。
アル――此処が8番ゲート。あのコンテナは此処にあったんだ。多分、12ブロックの方に運んだんだよ。
シュタイナー――ほう…何故そう思うんだね?
アル――8番ゲートから運ぶ荷物は大抵Cのリフトを使って12ブロックに行くから。
シュタイナー――アル、君は実に賢い少年だな。
アル――ねぇ?あの中には何が入ってるの?
シュタイナー――それを調べるのが私たちの任務なんだよ。
アル――僕も手伝います!
シュタイナー――今日のところはこれで十分だよ。協力ありがとう。
――これを君にあげよう。
アル――わあー!
シュタイナー――我々の部隊マークだ。無くさないようにな。
――人に聞かれたら拾ったと答えるんだ。
アル――分かりました、隊長殿!
シュタイナー――バーニィが君の家まで送ってくれるそうだ。
バーニィ――車がそんなに珍しいか?
アル――パイロットの運転だもん。
バーニィ――フン、お世辞言いやがって…
シュタイナー――あの子はしばらく、バーニィに見張ってもらおう。
ガルシア――バラしちまえば良かったんですよ!それとも此処に閉じ込めちまうとか…
――あのガキ、いつ口を滑らすか分かったもんじゃない。
シュタイナー――誘拐騒ぎを起こす気か?
ミーシャ――まあ、バーニィ向きの仕事が一つ出来たって事さ。
シュタイナー――そういう事だ。
バーニィ――宇宙空間でやられた日にゃ最悪だぜ?何しろ無重力だ。コックピットの中に血が滴になって浮かんでさ。もう地獄も真っ青!
アル――へー…
バーニィ――俺なんか数えきれないほど戦友が命を落としたのを見てるんだ。
――本当はお前みたいな子供、相手にしてられないんだぞ?
アル――バーニィも人殺したことあるの?
バーニィ――え?
――…殺したかないけどな。やられる前にやらなきゃ、こっちがヤラれる。ターゲットは落とすしかないんだ。
アル――厳しい世界なんだ。
バーニィ――当然。
――俺もあと1機落とせばエースってトコでヤラれちゃってよ
。
アル――相手が凄腕だったの?
バーニィ――油断しちまったんだ。中立コロニーだって聞いてたのに突然ジムが出てくんだもんな。ありゃねーよ。
アル――ふーん。あっ、そこ右に曲がって!
ミチコ――アル!いくら休みだからって出かける時はキチンと言っていきなさい!
アル――はーい!
ミチコ――学校から手紙が来てたわ成績の事で相談したいそうよ。この前のテストの結果悪かったようね。何で隠してたの?アル、遊ぶのは勉強でチャンと結果を出してからにすること分かった?
アル――はーい!
アル――イッヒヒヒヒ…
ミチコ――アルー!
アル――はーい!
ミチコ――母さん婦人会の会合に行ってくるから宿題ちゃんとやるのよ!
アル――はーい!
アル――XマイナスYイコール…
バーニィ――うぁ…
クリス――パパ、ママ!早く警察に電話して!
――泥棒よ!泥棒捕まえたわ!
アル――…バーニィ!?
クリス――アル、こいつ貴方の家に忍び込もうとしてたのよ!
アル――その人僕の兄さんなんだ。
クリス――兄さん…?
――…お兄さん!?
――ママ!電話は無し!良かった、まだ生きてる!
――はぁー…
クリスの母――…申し訳ありませんね。とんだ粗相をしまして、コーヒーでよろしいですか?
バーニィ――はぁ。
クリスの母――アルにお兄さんがいたなんてね。私も全然知らなかったわ。
バーニィ――…母親が違ってまして、親父が若い頃僕が生まれたんですが、周りが反対して別れたらしいんです。
クリスの母――ミチコは貴方のこと知ってるの?
アル――秘密なんだよ。だからコッソリ会いに来たんだ。
クリスの父――それにしても泥棒と間違えるとはな…
――ま、許してやってくれ。早合点しただけなんだから。
バーニィ――は、はぁ…
クリス――ホントにゴメンなさい。私てっきり…
バーニィ――気にしてませんから。
クリスの父――全く気の強い娘でね。連邦軍なんぞに入っちまうんだから…
アル――クリス軍人だったの?
クリス――データを集める仕事なの。銃を取って戦う訳じゃないわ。
アル――バーニィは本物の軍人なんだぜ?
バーニィ――うっ…
クリスの父――ほう。
バーニィ――い、いえ…もう除隊しました。今は予備役ですから。
クリスの母――それでこのコロニーに戻ってらしたのね。
――じゃあ、お勤めもこちらで?
バーニィ――工場で機械関係の仕事をしてます。どうもお邪魔しました。
クリスの母――ゆっくりしてらしたら良いのに。
バーニィ――約束があるものですから…
クリス――頭、大丈夫ですか?
バーニィ――平気ですよ、このぐらい。これどうも。
――アル行くぞ!
アル――うん。
アル――クリス、おやすみ!
クリス――おやすみなさい。
バーニィ――見掛けじゃあ性格は分からないもんだな?
アル――悪くないと思うけどなぁ?
バーニィ――いよっと、痛て…
アル――痛い?
バーニィ――何ちゃって?
――発進!
アル――うわっ!?
バーニィ――デーン!
アル――あははは…
アル――行ってきまーす!
チェイ・テルコット――アルー!
チェイ――お前ん家に行くトコだったんだぜ!
テルコット――公園行って戦争しよ!
アル――また今度なー!今日は忙しいんだ!
アル――あー…
シュタイナー――スクリーンを取り付けろ!
ガルシア――どっちから行きますか?
シュタイナー――メインからだ。
ガルシア――了解。
アル――あの中身、モビルスーツだったのか…
シュタイナー――バーニィ、早いとこ締め付けろ!
バーニィ――了解。
アル――これで連邦軍と戦うんだね?
シュタイナー――いや、コイツはコロニーを脱出する時に使うんだ。
アル――えー!戦わずに逃げるだけー?
シュタイナー――連邦軍が追撃すれば別だがね。
アル――だったらパイロットはバーニィが良いよ!
バーニィ――ん?
アル――あと1機、落とせばエースなんだ!
シュタイナー――残念ながらパイロットはミーシャに決まってるんだ。
アル――どうしてバーニィじゃいけないの?
ガルシア――へへへへ…
シュタイナー――ミーシャの方がベテランだからな。
ミーシャ――バーニィ、悪かったな。あと1機でエースなのによー。
ガルシア――まだ4機だったのかい?俺はよ、バーニィのこったから20機は落としてるもんだと思ってたぜ?
ミーシャ――ハハハハ…
バーニィ―― んー…
連邦兵A――クリス、ここいらで一旦切りあげよう。午後から新しいプログラムでもう1度チャレンジだ。
クリス――了解。
連邦兵B――反応速度のデータは?
連邦兵C――平均値30%増加です。
連邦兵B――80%には程遠いな…
連邦兵D――アレックスの乗り心地はどうだい?
――全周スクリーンとマグネットコーティングの感想は?
クリス――速すぎて怖いくらいよ。
――こんな敏感な機体実戦で使えるの?
連邦兵D――パイロットの腕次第ってところかな?
クリス――私じゃアレックスは使いこなせない、って意味?
連邦兵D――尖がんなよ…
――コイツはニュータイプ専用機だ。アンタの腕は認めるがちとばかり荷が勝ちすぎる。
――コイツを扱えるのは一種の化け物さ。ホワイトベースのパイロットに回すらしいがね。
バーニィ――アル、もう帰ろうぜ!連邦の秘密基地なんて見つかりっこないって。
アル――折角、隊長がくれた任務なんだよ?
バーニィ――…まあな。
アル――バーニィ、どうして連邦は基地のこと隠してんの?
バーニィ――サイド6と連邦との安全保障条約がまだ正式には締結されてないからさ。
――つまり、今はまだ連邦の活動に色々制約があるって事。
アル――ふーん。連邦ナンバーの車って意外と少ないね。
――僕達が連邦の基地を見つけたら隊長考え直すかな?
バーニィ――何を考え直すんだ?
アル――パイロットの事。
バーニィ――うっ…
アル――ミーシャじゃなくて、バーニィになるかもしれない!
バーニィ――パイロットの事なんか気にしてないよ。エースになるチャンスはこれからもあるしな。
――さっ、アル。帰ろう。メシでも喰おうぜ?
アル――うーん、もうちょっと…
――あー!?
バーニィ――どうした!?アル!おい?
アル――見つけた…
――見つけたよ、バーニィ!
バーニィ――同じ人間がいるからって、そこが連邦の基地とは限らないぜ?
アル――近付いて確かめれば良いじゃない。
バーニィ――どうやって近付く?
アル――地下から。
バーニィ――…地下?
アル――コロニー公社の整備用トンネルを使うんだ。
アル――やったー!
バーニィ――此処が2の27って事は…
――此処から200メートルくらいか?
――意外と簡単に行けるかもな…
アル――バーニィ、早くー!
バーニィ――慌てんなよ。
アル――ここいらじゃない?
バーニィ――もうチョイってとトコだろ?
アル――あー!閉まってる。
――…開きそう?
バーニィ――妙だな…スイッチが見当たらない。もう一つ西の通路当たってみるか?
アル――うん。
バーニィ――ちぇ。
バーニィ――分かったぞ!
アル――何が?
バーニィ――新品のシャッターがこのブロックにだけ取り付けてある。人が入って欲しくない理由が最近できたんだ!
アル――あのコンテナ、此処に運んだんだ!
バーニィ――ピンポーン。
バーニィ――フテるなよ。
アル――だってぇ、連邦の基地が目の前にあるのに…
バーニィ――場所を突き止めただけでも大したもんだよ。まあ偶然とはいえコイツは大成功だぜ。
――きっと隊長も喜ぶぞ?
――ん?アル何やってんだ?
アル――へへーん。
バーニィ――やめとこう。アル、危険過ぎる。
アル――やだ。
バーニィ――死ぬかもしれないんだぞ!
アル――平気だい!
バーニィ――平気だったか?
アル――…全然。バーニィこそ怖いんじゃないの?
――モビルスーツが無いと臆病になるんだね?
バーニィ――んー…
バーニィ――目標はあの出っ張りだ。俺が辿り着いたらワイヤーを伝って飛んで来い。
――分かったか?
アル――うん。
アル――大丈夫、誰もいないよ。
バーニィ――宇宙服を脱いで渡すんだ。
アル――機械の動く音だ!
バーニィ――ん?アル!やめろ!
――アル、やめろ!捕まるぞ!
連邦兵E――割に合わねー仕事だよな?残業手当くらい出して欲しいや。
連邦兵F――ボヤくんじゃないの。
アル――連邦の兵隊だ!
アル――あー…

