第6話「ポケットの中の戦争」

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バーニィ――アル、聞こえるか?

アル――聞こえるよ。

バーニィ――今スイッチを入れるからな。

アル――うん。

バーニィ――モニターに変化は無いか?

アル――まるで無し。

バーニィ――今度はどうだ?

アル――表示が出た!D14が点滅してる…

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バーニィ――右側のモニターはどうだ?

アル――Aの15が光ってる。

バーニィ――そうか。

アル――直せるの?

バーニィ――勿論。

アル――ガンダム、やっつけられる?

バーニィ――楽勝!

バーニィ――必要なのは「工具」「ザクのパーツ」「武器」この3つだ。工具は買えばいい。

アル――パーツは?

バーニィ――盗む。

アル――泥棒すんの?

バーニィ――ジムの残骸がコロニー中に転がってる。使える部品をその中から探す。

アル――宝探しみたいだね!

バーニィ――連邦に捕まる危険だってあんだぞ。

アル――覚悟の上。

バーニィ――よくぞ言った。では、武器を入手しに参ろうぞ!

バーニィ――武器を積んだトレーラーが2台残ってる。ミーシャの置き土産ってワケだ。

連邦兵A――オーライ!オーライ!

アル――連邦兵が持って行ってるよ!

バーニィ――まだ1台残ってる、駐車場だ。少し急ぐぞ!

管理人――あのトレーラーが3日ほど駐車してますがね。まあ調べたきゃどうぞ。
    ――あー、傷は付けんようにして下さい。預かりもんなんだから。

連邦兵B――分かった、分かった。

連邦兵C――ナンバープレートは…レンタカーのもんだな。

連邦兵B――パーキングメーターを調べて来る。

アル――バーニィ、僕にイイ考えがある。

連邦兵B――三日前から駐車しっ放しになってる。

連邦兵C――よーし、中を見てみるか。

アル――連邦軍はこのコロニーから出てけー!

連邦兵B――オイ、坊主何すんだ!?

連邦兵C――やめないか!

アル――出てけー!

連邦兵B――オイ、やめろ!

連邦兵C――やめろ、コラ!

連邦兵B――やめるんだ!

アル――父さんを返せ!

連邦兵B――何の事だ?

アル――お前達が父さんを殺したんだ!

連邦兵B・C――えっ…

アル――連邦軍が基地なんか作るから…、ウッ…
   ――戦争が起こって父さんが…、ウウッ…
   ――父さんを返してよ!

連邦兵B――…なあ坊や。気持ちは分かるがな、悪いのはジオン軍なんだ。だからもう二度とこんなことしちゃ駄目だよ?

連邦兵B・C――おっ!?

アル――ヒートホーク1丁にハンドグレネード12発、大収穫だね!

バーニィ――よくやったぞアル!このトレーラーを捨ててから新しい車を手に入れよう。

アル――バーニィ…

バーニィ――ん?

アル――何考えてるの?

バーニィ――武器が足りないんだ。飛び道具がないとガンダムに近づく前にヤラれちまう…

アル――盗めない?

バーニィ――そいつは難しいな。何かいい手がありゃなぁ…
     ――ん?
     ――…あれだ!

アル――いい考えが浮かんだの?

バーニィ――ああ、凄いのがな!

アル――聞かせて!

バーニィ――…コイツだ。

警備員――どわっ!?

アル――殺さなかった?

バーニィ――気絶しただけだ。

バーニィ――この発煙筒と風船を使って罠を仕掛けるんだ。場所は連邦基地の側の森がいいと思う。

アル――どうして?

バーニィ――あそこなら、他人を巻き込む心配が無いだろ?

アル――そうかぁ!…で、次はどうするの?

バーニィ――ガンダムを誘い込んで不意打ちをかける。そうすりゃヒートホークでも勝てる。
     ――フッ、楽勝だな!こりゃ。

アル・バーニィ――あははは…

バーニィ――情けない顔すんなよ!明日、親父さんが帰って来るんだろ?

アル――だってぇー、一緒に戦えないなんて…
   ――ホントに手伝える事、もうないの?

バーニィ――戦いの方は俺一人で十分だよ。明日のお前の任務はこれだ。この包みを届けて欲しいんだ。

アル――何処に届けるの?

バーニィ――ディスクに指示が入っている。作戦が失敗したら…俺が死んだらそのディスクを見て俺の命令どおりに行動しろ。
     ――大事な仕事だ。頼んだぞ…!

アル――バーニィが死んだら…

バーニィ――…万が一の時の用心だ!ま、使う必要はないだろうがな。     ――明日の2時、ガンダムやっつけてこのコロニーを守ってみせるさ!

バーニィ――いいクリスマスをな。アル!

アル――バーニィもね!

バーニィ――おやすみ!

アル――…バーニィ、死なないよね?勝てるよね?

バーニィ――勿論さ!任せとけって。ホラ!

アル――おやすみバーニィ。

アル――神様お願いを叶えて下さい。もう二度とイタズラしないと誓います。本当です約束します。カエル殺して遊ぶのやめます。ヘビやトカゲを女の子の机に入れたりしません。だから…だからお願いです!バーニィをお守りください!このコロニーを…皆の命をお救いください。アーメン…

アナウンス――NTW-205便の搭乗手続きを開始致します。

アル――(もうすぐ出撃の時間だ…バーニィ)

イームズ――オーイ!アル、母さん!
  ――いやー、待たせて悪かったな。

イームズ――船の直ぐ近くで戦闘が起きてね。

ミチコ――まあ…

イームズ――ジオンの船が沈んでいくのが窓から見えた。こちらも危ないトコだったよ。連邦軍に降伏したジオン艦には核ミサイルを積んでいたモノもいたらしい…

ミチコ――まあ!?核兵器を積んでたなんて…

イームズ――連邦軍の調査ではリーアの方に進路を取っていたらしい。何でまた中立のこのコロニーに…
     ――アル、どうしたんだ?

ミチコ――アル、降りるのは此処じゃないわ!

アル――もう戦う必要はないんだ!バーニィを止めなきゃ!

スチュアート――何だと!

連邦兵D――ザク接近中!あと三分で当基地に接触します!

スチュアート―アレックスの残弾状況は?

連邦兵E――右腕に500発だけ残っています。

連邦兵F――リーア軍より連絡、「支援行動断る」との事です!

スチュアート――むぅ…
       ――マッケンジー中尉、出撃だ!

クリス――了解!

アル――あぁ…

バーニィ――来たな…
     ――どうした追って来ないのか?
     ――よーし、良い子だ。

連邦兵F――両機とも斜面に向かっています!

スチュアート――マッケンジー中尉、引き返せ!平地で戦う方が有利だ!

クリス――斜面は無人地帯です!

スチュアート――何だと!?

クリス――森で戦います!

スチュアート――中尉引き返せ!

クリス―― はっ!?

アル――バーニィー!
   ――バーニィー!
   ――バーニィ、逃げるんだ!

クリス――これは…、はっ!?

バーニィ――うっ、は…

クリス――うぅ…

アル――やめてぇー!バーニィー!
   ――うわぁー!
   ――バーニィー!もう戦わなくていいんだ!
   ――バーニィー!

ディック――マッケンジー中尉は?

連邦兵G――生きてます。気を失ってるだけです。

連邦兵H――ザクに乗ってたヤツは?

連邦兵I――バラバラに吹っ飛んじまってる。
     ――ミンチより酷ぇよ…

連邦兵J――坊や!?
     ――大丈夫か?こんなとこで何してたんだ?
     ――オイ!大丈夫か!?

ディック――ストレッチャーを急いでくれ!

アル――あぁ…

連邦兵J――オイ、大丈夫か!?オイ、坊や!しっかりしろ!オイ!

バーニィ(テープの映像)――アル、いいかい?よく聞いてくれ。
     ――この包みの中には俺の証言を収めたテープや証拠の品が入っている。このコロニーが核ミサイルの標的になった訳を知る限り喋った。
     ――もし俺が死んだらこれを警察に届けてくれ。大人が本当だと信じてくれたらこのコロニーは救われると思う。俺が直接警察に自首しようとも思ったんだが…何て言うか、そうするのは逃げるみたいに思えて…ここで戦うのを止めると自分が自分でなくなるような…
     ――連邦が憎いとか、隊長たちの敵を討ちたいとか言うんじゃないんだ。上手く言えないけど、アイツと…、ガンダムと戦ってみたくなったんだ。俺が兵士だからなのか理由は自分でもよく分からない。     ――アル、俺は多分死ぬだろうがそのことで連邦軍の兵士やガンダムのパイロットを恨んだりしないでくれ。彼らだって、俺と同じで自分がやるべきだと思ったことをやってるだけなんだ。無理かもしれないけど他人を恨んだり自分のことを責めたりしないでくれ。これは俺の最後の頼みだ。
     ――もし運良く生き延びて戦争が終わったらさ、必ずこのコロニーに帰ってくるよ。会いに来る。約束だ。
     ――これでお別れだ。じゃあなアル、元気で暮らせよ!クリスにヨロシクな!

ミチコ――アル、アル!どうしたの?魘されてたわよ。

アル――夢見てたんだ…
   ――何時なの?今。

ミチコ――8時半くらい。
    ――うーん…今日はいいお天気よ。神様が新学期を祝ってるみたい。

イームズ――母さん!ちょっとタオルが見つからんよ。

ミチコ――あっ!?父さんたら、台所を水浸しにする気?

イームズ――あー、ちょっと貸してくれ。

ミチコ――あらっ…父さん、ちょっと!
    ――あーあ、もう困ったわね…

ミチコ――アル、そろそろ出なきゃ遅刻するわよ!

アル――うん。

ミチコ――ハンカチを持った?

アル――持ったよ。行ってきます。

イームズ――…大人になったのかな?
     ――落ち着きが出て来たんじゃないか。

クリス――アルー!
    ――間に合って良かったわ。私、地球に転任する事になったの。

アル――行っちゃうの?

クリス――ちゃんと会ってお別れを言いたかったの。急な知らせで驚かせちゃった?
    ――バーニィにも挨拶をしておきたかったんだけど…アルから伝えてくれる?私がヨロシクって言ってたって。

アル――…うん。
   ――…バーニィもさ、きっと…きっと残念がると思うな。

クリス――アル、さよならアル。

アル――…さよならクリス。

校長(放送)――長く苦しかった戦争もついに終わり平和な日々が訪れました。しかし、このコロニーにも戦争は深い傷跡を残していきました。私達は校舎を失っただけでなく、幾人もの親や兄弟、友人を失ったのです。この平和はまことに多くの犠牲の上に勝ち取られたものです。君達にはその事を忘れないで欲しいと思います。

アル――うっ、うう…

校長(放送)――そして、君達が大人になった時

ドロシー――アル?どっか痛いの?

校長(放送)――二度と戦争が起こらぬよう、平和な時代を築く為に

ドロシー――先生呼んで来るから待ってて!

校長(放送)――真剣に努力して欲しい。それが残された者の務めであり

チェイ――アル泣くなよ…戦争はまた直ぐ始まるって!
    ――今度はさ、もっともっと派手で楽しくって、でっかいヤツだぜ?きっと。

アル――うううう…

テルコット――そうだよ!そしたらさ薬莢なんかじゃなく、実弾も拾えるしさ!ひょっとすると軍隊のレーション食えるかもしれないぜ!

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